4. 環境マネジメントシステム要求事項

4.1 一般要求事項
組織は、環境マネジメントシステムを確立し、維持しなければならない。その要求事項は、この4.全体で述べられる。

4.2 環境方針
最高経営層は、組織環境方針を定め、その方針について次の事項を確実にしなければならない。

a) 組織の活動、製品又はサービスの、性質、規模及び環境影響に対して適切である、
b) 継続的改善及び汚染の予防に関する約束を含む、
c) 関連する環境の法規制、及び組織が同意するその他の要求事項を遵守する約束を含む、
d) 環境目的及び目標を設定し、見直す枠組みを与える、
e) 文書化され、実行され、維持され、かつ全従業員に周知される、
f) 一般の人が入手可能である。

4.3 計画

4.3.1 環境側面
組織は、著しい環境影響をもつか又はもちうる環境側面を決定するために、組織が管理でき、かつ、影響が生じると思われる、活動、製品又はサービスの環境側面を特定する手順を確立し、維持しなければならない。組織は、環境目的を設定する際に、これらの著しい影響に関連する側面を確実に配慮しなければならない。

組織は、この情報を常に最新のものとしなければならない。

4.3.2 法的及びその他の要求事項
組織は、その活動、製品又はサービスの環境側面に適用可能な、法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し、参照できるような手順を確立し、維持しなければならない。

4.3.3 目的及び目標
組織は、組織内の関連する各部門及び階層で、文書化された環境目的及び目標を設定し維持しなければならない。

その目的を設定し見直しをするときに、組織は、法的及びその他の要求事項、著しい環境側面、技術上の選択肢、財政上、運用上及び事業上の要求事項、並びに利害関係者の見解に配慮しなければならない。

目的及び目標は、汚染の予防に関する約束を含め、環境方針と整合させなければならない。

4.3.4 環境マネジメントプログラム
組織は、その目的及び目標を達成するためのプログラムを策定し、維持しなければならない。プログラムは次の項を含まなければならない。

a) 組織の関連する各部門及び階層における、目的及び目標を達成するための責任の明示、
b) 目的及び目標達成のための手段及び日程、

プロジェクトが、新規開発及び新規若しくは変更された活動、製品又はサービスに関する場合には、環境マネジメントがそのようなプロジェクトにも確実に適用されるように、プログラムの該当部分を改訂しなければならない。

4.4 実施及び運用

4.4.1 体制及び責任
効果的な環境マネジメントを実施するために、役割、責任及び権限を定め、文書化し、かつ伝達しなければならない。

経営層は、環境マネジメントシステムの実施及び管理に不可欠な資源を用意しなければならない。資源には、人的資源及び専門的な技能、技術並びに資金を含む。

組織の最高経営層は、特定の管理責任者(複数も可)を指名しなければならない、かつ、その責任者は、次に示す役割、責任及び権限を、他の責任にかかわりなく、与えられていなければならない。

a) この規格に従って、環境マネジメントシステムの要求事項が確立され、実施され、かつ維持されることを確実にすること、
b) 見直しのため及び環境マネジメントシステムの改善の基礎として、最高経営層に環境マネジメントシステムの実績を報告すること。

4.4.2 訓練、自覚及び能力
組織は、訓練のニーズを明確にしなければならない。組織は、環境に著しい影響を生じる可能性のある作業を行うすべての要員が、適切な訓練を受けていることを要求しなければならない。

組織は、関連する各部門及び階層においてその従業員又は構成員に、次の事項を自覚させる手順を確立し、維持しなければならない。

a) 環境方針及び手順並びに環境マネジメントシステムの要求事項に適合することの重要性、
b) 作業活動による顕在又は潜在の著しい環境影響、及び各人の作業改善による環境上の利点、
c) 環境方針及び手順との適合、並びに緊急事態への準備及び対応の要求事項を含む環境マネジメントシステムの要求事項との適合を達成するための役割及び責任
d) 規定された運用手順から逸脱した際に予想される結果。

著しい環境影響の原因となりうる作業を行う要員は、適切な教育、訓練及び/又は経験に基づく能力をもたなければならない。

4.4.3 コミュニケーション
組織は、環境側面及び環境マネジメントシステムに関して次の手順を確立し、維持しなければならない。

a) 組織の種々の階層及び部門間での内部コミュニケーション
b) 外部の利害関係者からの関連するコミュニケーションについて受付け、文書化し及び対応すること。

組織は、著しい環境側面について外部コミュニケーションのためのプロセスを検討し、その決定を記録しなければならない。

4.4.4 環境マネジメントシステム文書
組織は、紙面又は文書形式で、次に示すことのために情報を確立し、維持しなければならない。

a) マネジメントシステムの核となる要素及びそれらの相互作用を記述する、
b) 関連する文書の所在を示す。

4.4.5 文書管理
組織は、次のことを確実にするために、この規格が要求するすべての文書を管理する手順を確立し、維持しなければならない。

a) 文書の所在が分かること、
b) 文書が定期的にレビューされ、必要に応じて改訂され、かつ所定の責任者によって妥当性が承認されること、
c) 環境マネジメントシステムが効果的に機能するために不可欠な業務が行われているすべての場所で、関連文書の最新版が利用できること、
d) 廃止文書は、すべての発行部署及び使用部署から速やかに撤去されること、そうでなければ意図されない使用がないように保証すること、
e) 法律上及び/又は情報保存の目的で保管されるあらゆる廃止文書は適切に識別されること。

文書は、読みやすく、日付が(改訂の日付とともに)あって容易に識別でき、順序よく維持されて指定の期間保持されなければならない。種々のタイプの文書の作成及び改訂に関する手順と責任を確立し、維持しなければならない。

4.4.6 運用管理
は、その方針目的及び目標に沿って特定された著しい環境側面に関連する運用及び活動を特定しなければならない。組織は、メンテナンスを含むこれらの活動を、次に示すことにより、特定の条件の下で確実に実行されるよう、計画しなければならない。

a) その手順がないと環境方針並びに目的及び目標から逸脱するかもしれない状況に適用する文書化した手順を確立し、維持すること、
b) その手順には運用基準を明記すること、
c) 組織が用いる物品及びサービスの特定可能な著しい環境側面に関する手順を確立し及び維持すること、並びに供給者及び請負者に関連手順及び要求事項を伝達すること。

4.4.7 緊急事態への準備及び対応
組織は、事故及び緊急事態について、可能性を特定し対応するための、並びにそれらに伴うかもしれない環境影響を予防して緩和するための手順を確立し、維持しなければならない。

組織は、必要に応じて、特に事故又は緊急事態の発生後には、緊急事態への準備及び対応の手順をレビューし改訂しなければならない。

組織は、また、実行可能な場合には、そのような手順を定期的にテストしなければならない。

4.5 点検及び是正処置

4.5.1 監視及び測定
組織は、環境に著しい影響を及ぼす可能性がある運用及び活動のかぎ(鍵)となる特性を定期的に監視及び測定するために文書化した手順を確立し、維持しなければならない。これには、パフォーマンス、関連の運用管理並びに組織環境目的及び目標との適合を追跡するための情報を記録することを含まなければならない。

監視機器は、校(較)正され維持されなければならず、かつ、このプロセスの記録は、組織の手順に従って保持されなければならない。

組織は、関連する環境法規制の遵守を定期的に評価するための文書化した手順を確立し、維持しなければならない。

4.5.2 不適合並びに是正及び予防処置
組織は、不適合を取り扱い調査し、それによって生じるあらゆる影響を緩和する処置をとり、並びに是正及び予防処置に着手して完了する責任と権限を定める手順を確立し、維持しなければならない。

顕在及び潜在する不適合の原因を除去するためにとられるあらゆる是正処置又は予防処置は、問題の大きさに対応し、かつ、生じた環境影響に釣り合わなければならない。

組織は、是正及び予防処置に伴う文書化した手順のあらゆる変更を実施に移し、記録しなければならない。

4.5.3 記録
組織は、環境記録の識別、維持及び廃棄のための手順を確立し、維持しなければならない。これらの記録は、訓練記録、並びに監査及び見直しの結果を含まなければならない。

環境記録は、読みやすく、識別可能であり、かつ、関連した活動、製品又はサービスに対して追跡可能でなければならない。環境記録は、容易に検索でき、かつ、損傷、劣化又は紛失を防ぐような方法で、保管され、維持されなければならない。保管期限が定められ記録されなければならない。

記録は、システム及び組織に応じて、この規格の要求事項への適合を示すために維持されなければならない。

4.5.4 環境マネジメントシステム監査
組織は、次のことを行うために、実施すべき定期的環境マネジメントシステム監査のプログラム(複数も可)及び手順を確立し、維持しなければならない。

a) 環境マネジメントシステムが、
 1) この規格の要求事項を含めて、環境マネジメントのために計画された取決めに合致しているか、
 2) 適切に実施され、維持されているか否かを決定する、
b) 監査の結果に関する情報を経営層に提供する。

組織監査プログラムは、あらゆるスケジュールを含めて、当該活動の環境上の重要性、及び前回監査の結果に基づいていなければならない。包括的なものとするために、監査手順は、監査の範囲、頻度及び方法を、監査を実施し及び結果を報告するための責任及び要求事項とともに、含まなければならない。

4.6 経営層による見直し
組織の最高経営層は、環境マネジメントシステムが継続する適切性、妥当性、かつ有効性を確実にするために、自ら定めた間隔で、環境マネジメントシステムを見直さなければならない。経営層による見直しのプロセスでは、経営層がこの評価を実施できるように、必要な情報が確実に収集されなければならない。この見直しは、文書化されなければならない。

経営層による見直しは、環境マネジメントシステム監査の結果、変化している周囲の状況、及び継続的改善への約束に照らして、方針目的、及び環境マネジメントシステムのその他の要素の変更の必要性に言及しなければならない。